松嶋菜々子 202002

松嶋菜々子 202002


公開中の映画「AI崩壊」(入江悠監督)に出演している松嶋菜々子さん

今作で松嶋さんは、大沢たかおさん演じる主人公・桐生浩介の亡き妻・望を演じている

松嶋さんに、撮影中のエピソードや共演した大沢さんについて、さらに女優という仕事の存在意義などについて聞いた。

今回、松嶋さんが演じるのは、大沢さん演じる科学者、桐生浩介と共に、国民のための医療AI(人工知能)「のぞみ」の研究を続けていた浩介の妻・望だ。しかし望は、そのAIに国の認可が下りるのを待たず、がんで他界する。


公開中の映画「AI崩壊」(入江悠監督)に出演している女優の松嶋菜々子さん

 松嶋さんは、「この作品は、サスペンスという大きな枠組みがある中で、AIの社会になってもやっぱり大切なのは人の心だったり、人と人とのつながりだったり、家族の絆だったり、結局は人間なのだというところに焦点を当てています」と語る。

 その上で、「私が演じる望は開発者の一人ではありますが、子を持つ親として自分の娘に未来を託したい、夫と2人で開発したものが社会の中によりよく組み込まれていくようにと願いながら、仕事もしっかりしている女性です。けれど彼女は志半ばで病気になり亡くなってしまいます。そこに対する家族への思いや、自分が理想としていた社会に貢献するAIを作るという目標を持っていることに、私自身、すごく共感ができたのです」と、今回のオファーを受けた理由を説明する。

映画の撮影は、2018年12月から2019年2月にかけて行われた。松嶋さんにとっての撮影初日は、おととしの12月、年の瀬が押し迫ったころに行われた海でのシーン。さぞかし寒かっただろうと推察され、松嶋さんも「私にとって環境的に一番過酷だろうな、寒い中、お芝居ができるのだろうかと気にしていた」というが、ふたを開けてみると、「すごく暖かなほんわかとした穏やかな日で、皆さんとは違って過酷な部分が一つもない撮影でした(笑い)」と共演者に恐縮しながら振り返る。

 大沢さんについては「どの作品に対しても一生懸命に向き合う方です。その分、思いも強いのですが、柔軟に対応しつつも、ご自分の意見をきちんとおっしゃる妥協のない方です。だからといって変に人にプレッシャーをかける方でもないので、私自身はリラックスしてお芝居ができました」と、5度目の共演ならではの感想を語る。

 出演作「連続ドラマW 頭取 野崎修平」もWOWOWで放送中だ。「AI崩壊」での夫と娘を愛する優しい女性と、「野崎修平」での銀行頭取の椅子を狙う野心家の常務……。作品によって、役になり切る大変さは察するにあまりあるが、当の松嶋さんに、女優という仕事の人生における役割を聞くと、「ストレス発散ですね(笑い)」と想定外の答えが返ってきた。

 そして、「もちろん、せりふを覚えることは大変な作業ではあるのですけれど、演じているときというのは、すごく集中していると同時にすごく解放される時間なんです。そういった、本番の集中と解放をやっと楽しめるようになったので、どちらかというと、せりふを覚える大変さより楽しみの方が大きいです」と続ける。

 とはいえ、「それをコントロールできるまでには試行錯誤した」と明かす。「自分の性格や状況、体調などいろんなことがあいまって、毎回同じコンディションで本番に臨めるわけではないので、それをいかに、どんな状況であろうとも本番に集中と解放を行うか。たぶん役者さんそれぞれに独自の集中の仕方があって、私はそれを模索するのに時間がかかりました。つらい作業ではありましたが、ある程度コントロールできるようになってくると、むしろお芝居を楽しめるようになりました」と充実した表情を見せた。

 映画は、2030年が舞台。国民の個人情報や健康を管理するまでになった医療AI「のぞみ」が突然暴走し、人間の命を選別し始めた。AIを暴走させたテロリストとして警察の捜査線上に上がったのは、AIの開発者である科学者、桐生浩介(大沢たかおさん)。彼には、そのAIに対する国の認可が下りず、妻・望(松嶋菜々子さん)を亡くした過去があった……というストーリー。桐生の義理の弟役で賀来賢人さん、桐生を追う警察庁の捜査官役で岩田剛典さん、所轄の刑事役で三浦友和さん、広瀬アリスさんらが出演している。

 次回は、松嶋さんの普段のリフレッシュ法や10年後の未来像、さらに女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)を聞く。

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